FXトレーダー日記

ユーロ圏の不安材料を警戒

今週も依然として世界的な景気減速懸念による円高傾向や、米国の金融緩和期待と格下げ懸念による米ドル安傾向の見通しは変わらない。注目された米8月雇用統計において、非農業部門雇用者数は前月から変わらず、予想よりも弱い結果となった。6月と7月の非農業部門雇用者数でも合計で5.8万人分が下方修正されている。

 

今回はストの影響や労働参加率の上昇など考慮する部分もあるが、雇用の伸びのペースが失業率を押し下げ、堅調な経済成長を達成するのに十分な水準とは言い難く、リセッション入り懸念は拡大し、米経済の低迷は長引くと見ている。米国では8日にバーナンキFRB議長が経済見通しについて講演を行い、オバマ大統領が雇用・景気対策に関する議会演説を行う予定となっている。

 

米雇用統計が終わり、今週は欧州の財政問題に注目が集まろう。7日には独憲法裁判所による欧州金融安定ファシリティー(EFSF)支援の合憲性について判決発表が行われ、合憲性を認める判決の可能性が高い。もし認められなかった場合には、市場への混乱は避けがたいと見ている。

 

9日にはギリシャ国債のロールオーバーの申請締切日となっている。ロールオーバーへの参加率90%以上が第2次ギリシャ支援の条件となっており、この条件を守ることが出来なければ第2次支援策は逆戻りすることになる。また、欧州中央銀行(ECB)が国債買い入れによって落ち着いていた、イタリアやスペインの国債利回りが徐々に上昇してきている。

 

特に先週からのイタリア国債利回りの上昇及び対独スプレッドの拡大が加速しており、既にユーロは主要通貨に対し先週から下落している。先週の両国の国債入札が低調な結果となっていたこともあり、不安は拭えない。月曜日には次期ECB総裁のイタリア中銀ドラギ総裁が「ECBによる国債購入は一時的なものであり、当然視すべきでない」と述べ、各国に欧州金融安定ファシリティー(EFSF)強化策の議会承認を促したが不安感だけが残った。利回り上昇は、欧州の財政懸念を再燃させ、投資家のリスク回避姿勢を強めることになる。今後も債券市場の動向には注意が必要である。

 

10年国債利回り:9月5日
イタリア10年国債利回り:5.547%
スペイン10年国債利回り:5.238%

 

ECB定例理事会が8日に開催され、四半期毎のスタッフ経済見通しも公表される。注目は定例記者会見でのトリシェ総裁の景気判断(見通し)となろう。さらに、G7財務相・中銀総裁会議が9-10日にかけてフランスで開催される。欧州問題が中心の議題になると思われるが、日本の安住財務相が主要国に対し、どこまで介入への理解を求められるかが重要であり、内容次第では単独介入の可能性が高まると思われる。

 

欧米の懸念材料は株式市場への悪影響を招き、投資家のリスク回避姿勢を強める方向に働きやすい。その場合、ユーロの下落と円高傾向を強める可能性がある。